またまた、amazonでインベスターZがセールをしています。
1巻1円、2巻2円、3巻3円で1円ずつ上がっていくから「右肩上がり」という破格のセールです。
以前もやっていて、これは採算どうなってるんだろうと思って、そういうエントリもアップしました。
この漫画の作者の三田紀房さんという方は、おそらく相当頭のいい人で、この人が考えたプロモーション戦略なのかと思ってました。
三田さんは、元アシスタントから過去の残業代請求されて、炎上しかけたのですが、完璧な対応で、収束させたりもしてます。
元アシによる三田紀房先生への残業代請求の件が100点満点の美しい対応で決着 togetter
そう思って、ググっていたら、このインベスターZの電子書籍の権利を持っているコルクという会社のブログでプロモーションが解説されてました。
(※インベスターZは、雑誌掲載と紙の単行本の出版は講談社。電子書籍配信の権利はコルクという構造のようです。)
漫画を「1巻=1円、2巻=2円」という破格で販売したところ、とんでもない広告効果がありました! コルクのブログ
従来の紙だけではなく、電子書籍と合わせて、売っていかないといけない時代のマンガのプロモーション事情が解説されていて、かなり腹落ちする内容でした。
・「セールは10巻まで」という意見があったが、amazonでは、売れ筋ランキング20位まで表示されるので、15巻までにすることで、インベスターZでランキングをほぼ独占でき、露出のインパクトがすごかった。
・電子書籍のDL数推移を見ると10巻以降、増加率は横ばいに近づき、新しい読者が増えにくくなっていると読み取れる。読み終えるのが大変だと思い、躊躇(ちゅうちょ)されるのではないか。
・通常のセールでは、もはやバズ(口コミ)は起きない。インベスターZ作中のキーワード「右肩上がり」と絡めて、インパクトを出してメディアにも取り上げてもらいやすくする。→「インベスターZ」という単語のTwitterのインプレッション 最高181万
確かに、いろんなサイトのマンガ紹介エントリのタイトルに、「10巻以内完結のおすすめ漫画○○」みたいなタイトルよく見る気がします。
リアル書店で本を探すと、巻数が多いものほどスペースをとるので、目立って、有利なような気がしてましたが、ウェブ上で紹介されると巻数は関係ないので、新しいプロモーションが必要な時代なんだろうと感じました。
そして、このコルクという会社のことを初めて知ったのですが、講談社で、週刊モーニング編集部にて、人気漫画の編集担当だった佐渡島 庸平さんが、講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社として立ちあげた会社だそうです。既得権益とのしがらみがある従来の出版社では、インターネットに最適化されたビジネスモデルはなかなかできそうにないですもんね。
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