安室奈美恵さん引退のニュース報道が過熱気味ですね。
神戸新聞のこちらのネット配信ニュースを見て、安室奈美恵さんの恩恵を非常に受けてたことを思い出しました。
神戸新聞NEXT|総合|「安室ちゃんは救世主」一大ブームのブーツ、被災の街甦らせる
ストレッチブーツ編
この神戸新聞のニュース記事の通り、安室ちゃんが、ストレッチブーツを愛用して、爆発的なヒット商品になった当時、大学卒業間もない時期で、新卒で入手した繊維商社で婦人服アパレルメーカー向けに生地の営業をする部署に配属されて間もないころで、右も左もよくわからない時期でした。
新人なので、業務を覚えるのに、精いっぱいで、大した売上ができるわけもなかったのですが、お客さんから妙にバランス(※在庫のことです。)確認の電話が増えてきました。その当時なので、オンラインの在庫閲覧サービスなんかももちろんありません。
すると、突然、ある問屋(代理店のようなもの)からアクリールウールのストレッチポンチという生地の黒、100反の買い注文が入ってきました。問屋は通常、直接商売するほどの取引ができないような中小メーカーさんをとりまとめてもらう販売代理店の位置づけだったので、ほとんどの注文が数反レベルだったのに、です。かなり、驚き喜びました!
ちなみに、アクリールウールのストレッチポンチというのはこんな感じの生地です。
ウールの廉価版として、アクリルを混ざた肉厚のニット素材で、秋冬のスカートとかボトム用に主に使われる生地です。神戸新聞の記事にもありましたが、割合、高級品の部類になる生地なので、売上も上がるし、喜び勇んで、上司に報告に行くと、まさかの雷が、、、。
「お前、黒ばっかり、買われてしもたら、他の色が売れへんようになるやろ!キャンセルしてくれって頼んでこい!」
一般のアパレルは、売り場の構成をするために、白、ベージュ、茶、黒、差し色でピンクとかみたいな感じでバランスよく買います。
白、ベージュ、特に黒なんかは基本となる色で、この基本色がないと商売にならず、黒以外の他の色すべての販売が止まってしまいます。
新人ゆえの経験の浅さから、黒ばっかり買われてしまったため、他の色が、黒の追加加工が出来上がってくるまで、販売できなくなってしまっている事態に気づいていなかったのです。
ただ、ここで仕入れ先の担当者Mさんが驚異的な交渉力を発揮してくれて、工場の加工納期を大幅に短縮!事なきを得ました。ほんと、このときはMさんのことが神に見えました!
この後、2年くらいはこのMさんとタッグを組んで、問屋経由で、神戸の靴屋さんにだいぶストレッチポンチを売らせてもらっていい思いをしました!そして、記事どおり、安価な中国品が入ってきて、ブームも落ち着いて、細々とした商売に戻りました。。。
バー〇リーチェック編
もう一回、安室奈美恵さんブームの恩恵を受けたことがあります。その当時には多少は経験を積み、中堅営業マンとして、大手アパレルである〇陽商会の営業担当となってました。
そして、最近、そのバー〇リーブランドとのライセンス契約を打ち切られてしまったため、会社の業績悪化に歯止めが止まらず、リストラのニュースが再三出ていた通り、〇陽商会は、バー〇リーのライセンス契約を取得しており、若い女性向けのセカンドライン、ブルーレーベルを展開していました。
そして、このブランドがやはり、当時アムラーという言葉ができるくらい大スターになっていた安室ちゃんが、バー〇リーチェックのミニスカートを着用したことで、やはり大ブレークしていました。
展示会時点で、MD(マーチャンダイザー)から仮でだいたいの発注数量見込みを聞いていたものがすべて、大幅増になって、正式発注が来たり、社風的に、あまり期中の追加発注をしない会社だったのですが、急な追加がきて、仕入先との生産納期交渉で大忙しの「安室バブル」を体験させてもらいました。
バー〇リーチェック自体は、本国バー〇リー社とのライセンス契約がとても厳しく、ある1社の独占生産になっており、最後までその牙城は崩せなかったのですが、あるコート素材で、1回のオーダーで数千万円の発注をいただき、私の生地の営業成績のなかでは断トツの記録です。
そのあと、モデルの蛯原 友里さんが着用したものが、エビ売れと言われたりするようなファッショニスタが、消費をけん引する現象の走りだったように感じます。
安室奈美恵さん、おつかれさました。そして、ありがとうございましたw
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